久々に妄想話。
苦手な方はスルーでお願いします~。
更に、今回は特にいつも以上に意味の無いものです。
よろしく!(何を)
しゃらり。
6弦を鳴らす。
スタジオの片隅に遠慮がちに置いてあった真っ赤なギター。
何年も前から知っているギタリストが使っている物だ。
自分の持ち物ではない。けれど、どうも今日は気になってしまって。
しゃらり。
決して上手くは無い。本職では無いから仕方ないと云えばそれまでか。
ピィン。
Aの音。
「~♪」
自分の声でA。
ピィン。
一本上に上がってE。
「アラ、ハイドさん。機嫌の宜しい事で」
持ち主登場。
「何をおっしゃいます。何時も機嫌はよろしいですわよ」
軽い会話。
中身を考えなくても成立する会話って楽だ。
当の持ち主はケラケラと笑ってまた出て行ってしまった。
しゃらり、しゃらり。
ケンちゃん、何しに来たんやろ。
C、GM7、Em。
しゃらりら。
ぽとりぽとりと適当なコードを押さえて落としていく。
F7、D。
歪に並べられた積木みたいに。
A…あれ?
「onG-…??どこだっけ」
あ。そうそう。6弦3フレット。
「ハイド…いきなり独り言は怖いで」
「てっちゃん?いつの間に?」
数歩先に我らがリーダー。
「さっきから居るわ。それよか、そのギター勝手に使っていいん?」
「さっきケンちゃん何も言わんかった」
「ふぅん」
短い会話。
しゃら。
アンプを通さない小さな空気の振動。
やっぱり頭を使わない会話って楽だ。
E、F#m7、G6。
子供の遊びみたいに弦を弾く。
あ。この進行何かと一緒や。なんだっけ。
しゃらん。ピィン。ピピン。しゃしゃら。
「~♪」
作曲ごっこ。や、本職ですけどね。
しゃらりらり。タタン。
…タタン?
目線をあげると、細っこいドラマー。
「ハイドくん、その赤にあうね」
「んー。ありがとう。俺のちゃうけどな」
そうだった。これは自分のギターじゃない。
そういえば、軽い違和感。
「でも、にあうよね」
譲らないユッキー。
「ありがと」
もう一度お礼を云うと、満足したのかドラムを叩き出した。
生きてるみたいに歌うドラム。
楽器って長く使うと体の一部に成るって云うけど、正に其れ。
馴染んでて、個々にまでユッキーの神経が通っているみたい。
ユッキーってドラム似合うよね。
なんか、羨ましくなった。
其処に丁度ギタリストが再び登場。
出て行ってからの時間は、煙草一本分とみた。
「ケンちゃん、はい。ありがと」
そう云って真っ赤なギターを彼に渡す。
「どういたしましてー」
可愛らしいダックボイスの彼の方がこの赤は似合う。
見慣れたとか、そう云うのを抜きにしても。
さて。俺の似合うものは。
「ハイ。どうぞ」
すかさずリーダーが渡したのはマイク。
「…………さすがリーダー」
感心。付き合いの長さは伊達じゃないね。
後ろから「リーダーカッコイイ」ってケンちゃんの声。
「おいしいとこどりじゃん」ってユッキーの言葉。あはは。確かに。
結局のところ、それぞれが一番似合うものに落ち着くんだと学んだ。
頭使う会話をしなくても、繋がるものは繋がるって事も。
これが日常。なんて幸せ。
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ゆっるーい話。
目的もなく書きなぐるとこうなります(笑)
今度また、意味わからんのも書きたいなー。